その18/ 白金・四の橋商店街、『鈴木屋』の「もつ焼き」
前回の神宮前に引き続き、今回も「まさか?」の場所で
遭遇したアテを紹介します。
なんと、白金なんですよ!? そんな「まさか?」でしょ?
さて、さて、とうとうモツの出番、しかし、白金でモツ! まずそっ。
というのが、大方のモツ上級者たちの変わらない意見に違いない。
しかも、ここはコンクリートの打ちっぱなし、換気扇もピカピカだ。
普通、モツ焼き屋の換気扇の隅っこには、半分に切られたポリ容器、
キッチン用洗剤の空いた奴の中に、こってりと黒い油、が常識だ。
だから、まず婦女子は近づかない。家族連れも行ったりはしない。
しかし、ここ『鈴木屋』は女子の2人連れ、しかもイイ女たちが多い。
みんな楽しそうに、わいわいと煮込みやモツを楽しんでいる。
と、ここまで書くと、モツ上級者の方は間違いなく近づかない。
実は、僕も最初にカウンターに座ったときはずーっと不安だった。
でも、ご主人の一郎さん(鈴木一郎!)の「焼き」を見て、唖然。
すべての部位を違う速度で、中心だけごくレアに焼き上げて行く。
まずは定番、煮込みで焼きを待つ、出て来たものは透明スープだ。
味噌味でも、醤油味でもない、モツの旨味を活かした塩味の煮込み。
具はシロが中心だが、ハツ下のコリコリ感がいいアクセント。
そこに、サッと表面だけをあぶり、胡麻油と塩をふったレバーが!
もうっ、なんにも言うことはない、夢中で次々に食べ続けた。
ひも(シロ)のスタミナだれは、ニンニクとネギが利いたシロの究極形。
そして、驚愕のシビレ。実はそれまでシビレだけは苦手な部位だった。
ところが、『鈴木屋』で食べてからは見事リピート率トップに登り詰めた。
がつも、ほかの店で食ってた物を全否定する旨さとジューシーさ。
確かに、モツを美味しく食べさせる焼き肉屋は何軒かは存在する。
だが、素材の持ち味を最大限に活かす焼き方など、素人には無理。
その点、鈴木屋なら心配ない。しかも、一本130円という嬉しさ。
ボイルなんかしない、軟骨入りの生のツクネだけは特別に150円。
これだけはカリカリに焼いてくれ、生ピーマンに挟んで食べる。
フッ、フッ、フッ、もう行きたくてウズウズして来たかもしれない。
白金のヤな雰囲気を吹き飛ばす、レトロで素敵な四の橋商店街。
市場で豚の問屋をやってる店が、いちばん旨いモツを自分で焼く。
しかも、一郎さんの焼きのセンスは、東京でもトップクラスだ。
唯一の難点は、人気があり過ぎて入れないこと多数。幸運を祈る!
アテを求めるココロに土地の雰囲気や人気は無関係。そういう公平で貪欲な精神に惜しみない敬意を! (T.T.)

それぞれの「引き出し」を
つくっているのはこんなひとたちです。