その29/鶴橋駅前あたり、『空』の「子袋タタキ」
「お子ちゃまな肉文化しか持たない日本人たち」には
なかなか発見できないリアルなホルモン、が今日のアテ。
奈良・近鉄沿線からお届けします。
奈良行きの近鉄電車で仕事を済ませたら、当然帰りは途中下車。
そのまんま鶴橋の迷路に飛び込むも、目当ての『空』はまだ準備中。
立ち飲みの串カツ屋で、ホッピーと串数種を頼み、開店を待つ。
五時開店と同時に満杯になる『空』、本店と支店は向かい合っている。
一時間半の約束で二階の座敷席に座ると、すでに奥は宴たけなわ。
「パッチギ」時代の沢尻エリカを思わせる美人が目を惹く。
『空』の特長は、ワンポーションが小さいこと、値段も半分の計算。
たくさんいろんなものを食べられるし、一人や少人数でもいい。
焼きの前に刺しが食べたい。だってここは鶴橋、本場である。
センマイもうまそうだが、ここは子袋。新鮮な子宮の生を貰おう。
東京ではまずボイルされた状態、まっ白で透明感はまず、ない。
しかし、ここでは乙女なピンク色、透明感ですべすべと来た。
しかも、刺しは2種類。普通のがブッキリフェで、これはタタキ。
つまりは子袋ミンチの冷たいスープ、スプーンでそっと喉に運ぶ。
白魚の踊り食いのように、新鮮な子宮が喉をくすぐり通過してゆく。
サッパリしながらエロチック、ホルモン好きのユートピアである。
さてさて、そーこー興奮している内に、焼き物が運ばれて来た。
どーんと、一皿にてんこ盛りされるのが、ここ大阪の流儀だ。
モノはウルッテに、ツラミ、上ミノとミノサンド、プップギだ。
その後、ハラミすじにヨントン、ハギシ、ネックも追加した。
残念ながら、グレスとうちわは、奥の沢尻卓でもはや売り切れ。
しかし、どれも新鮮でコリコリ、プニュプニュとたまらん旨さ。
特にウルッテに細かく入れられた包丁目には感動してしまった。
ハモ切りなんてものじゃない、固い喉骨を食べやすく叩きつくす。
もちろん、適度な脂身がサンドイッチされたミノサンドも秀逸。
ハラミすじや、カルビすじなどの端肉もお安く提供してくれる。
ホルモンの命は新鮮さ、そして、丁寧で的確な下ごしらえだ。
まだまだ、お子ちゃまな肉文化しか持たない日本人たちは、
いつまでも、高価な肥満牛肉、銘柄牛とやらにご執心である。
だから旨いホルモンが食べたければ、迷わずコリアンな街角へ。
もちろん、辛いだけじゃないキムチにも、きっと驚くはずだ。
ホルモン好きのユートピア、という表現がね、いかにも森さんらしいです。沢尻エリカ似美人の行方も気になるけど。(T.T.)

それぞれの「引き出し」を
つくっているのはこんなひとたちです。