BEAMSプレゼンツ! 名刺ステッカー誕生秘話(2)
第2話/名刺代わりのステッカーをつくろう!
「ステッカー、つくらないんですか?」
これが、TONAO TIMES創刊に際して、BEAMSの金田英治さんが最初に提案してくれたことです。
ステッカー、そういう発想はまるでなかった。でも、なんというか、軽さがいいなと思いました。一人歩きしてくれそうですよね。ささやかなものだけど、このメディアを語る製作物ができることも楽しい。
実は、名刺をつくろうと考えていたんです。原始的な宣伝方法だけど、会う人に直接渡せば、一度くらいは見てもらえそうでしょ。歩きはじめたばかりのいまは、その一度でもすごく大事だし。
そうだ、名刺をステッカーにしちゃえばいいかも!?
それが、金田さんからの提案に僕が付け加えたアイディアでした。
「名刺代わりなら、両面刷っちゃえば? そのほうが情報量も多くなるし、ちょっと奇抜だし」
なるほど、それはユニーク。
「あ、でも両面印刷のステッカーってやったことないな。っていうかウチはステッカー屋じゃないし。でも、別の部署の人間に聞いときますよ」
と金田さんが言って、その日の打ち合わせは終了。僕は僕で、名刺ステッカーのデザインを進めることにしました。
デザインは、このメディアのアートディレクターを引き受けてくれた野本裕之さんにお願いしました。ロゴを目立たせてほしいと伝えただけで、あとは全部お任せ。
「台紙面、見て」
野本さんが電話でそういうので、メールで送られてきたデザインをチェックしたら、寝そべった影男にセリフがついていました。「オレハヤルゼ」。
「それ、ダブルミーニング。“俺はやるぜ”と“俺流行るぜ”。メール送ってから気付いた」
みんな、いい人でしょ? 泣けてくるもの。
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(台紙面、最終決定直前のデザインです。すでに“オレハヤルゼ”が盛り込まれてました)
そのデザインを金田さんに転送しました。それからしばらく時間が経ったある日、「色校、上がってます。チェックしに来てくださいね」と連絡がありました。
はん? だって、両面印刷できるかどうかも、ましてや大きさや枚数も決めてないでしょ?
「なんかいろいろだいじょうぶみたい。ひとまず」
何がどうだいじょうぶなのか不明だったけど、言われたとおり“ひとまず”BEAMSに行きました。店舗ではなく、プレス部署が入っているビルです。
するとね、用意されてました。片面6枚分が1枚のシートになっていた色校が……。
(これが色校紙の現物。けっこう長く仕事してきて、これを写真に撮ったのははじめてかも)
色校というのは、刷り上りの色を最終確認するための校正および校正紙のことです。僕は仕事上、これまで数え切れないくらいの色校に立会い、何枚もの色校紙を見てきました。でも、これほど特別な1枚、正確には表面と裏面の2枚を手に取ったのははじめてです。
なんていうのかな、パティシエは仕事のために毎日デザートをつくるけど、恋人や家族のためにこさえたケーキはスペシャルだったりするでしょ? レシピが同じでも、気持ちが違うみたいな。って、なにロマンチックなこと言ってんだ?
あんまりうれしかったので、たまたまそばを通りかかったプレスの源内レイさん(左)と久田アンナ(右)さんを呼び止めて、写真を撮らせてもらいました。当たり前だけど二人とも意味がわからない様子で、それでも笑顔でカシャ。BEAMSスタッフ最高!
(左がレイさん、右がアンナさん。いきなり呼び止めてすいませんでした。でもサンキュ!)
いよいよTONAO TIMESが動き出すんだ――。その色校をながめて、そんな想いが沸き上がってきました。
でも、不安なこともあったのです。(あと1回、つづく)
