“ホノルル”トレーニング実行中/10km大会編(1)
僕に配布された公式ゼッケン。この裏側に電子チップが
貼り付けられていて、自動的に走行時間が記録される。
ナーバスになる心
いくらか時間が経ったけれど、人生初の公式マラソン大会出場記を。
記念すべき第1回開催の「世田谷246ハーフマラソン」。僕らは、国道246号線をまったく走らない、河川敷を使った10kmの「健康マラソン」にエントリーした。これは、ホノルルマラソン本番前に正式な大会に慣れる意味合いで、「ランニングスタイル」誌が出場を手配してくれた。
というわけだから、記録なんて実はどうでもいいのである。
とは言え、どうでもよくないのが記録でもある。人生初の公式大会。いまの自分の実力を知りたくなる欲求にはなかなか抗えないものだ。
などという考え自体が本末転倒なんだが、追い詰められる条件も存在した。
制限時間である。「健康マラソン」などとおだやかな名称ながら、10kmの部は60分以内にゴールしないと完走扱いにならない。それは、初心者にとってかなり微妙なボーダーだ。
単純計算すれば、1kmあたり6分のペースを保てれば制限時間内にゴール可能。もし“ホノルル”でも最後までそれを維持できたら、4時間半以内で走り切れる。僕は、あわよくばそのペースで“フル”を走りたいと願っている。だからこの「246マラソン」を本番に向けた練習ととらえれば、1km/6分のペースを崩さずに走ることが重要だった。
「健康マラソン」スタート直前の模様。先頭は、どこかの
高校の陸上部が占拠していた。
だが、もし途中で何かトラブルが起きたら、たとえば最大の不安要素になっているヒザ痛が発生したら、1km/6分を守りきれる保証はない。
いや、10kmという距離自体いつものトレーニングと変わらないじゃないか。それに、ランニング初心者の最初の目標とされた5km/30分(=1km/6分)はクリアできているんだから、1km/5.5分程度に引き上げれば問題ないんだ……。
とか、走る前には分数(と言っても実に単純な)で頭がいっぱいになっていた。
そうしたナーバスになる心を経験することが、今回のエントリーの最大の目的なのだろう。たかが10km。これが“ホノルル”と無関係なら、ペースなど気にせずドカンと走れるのかもしれない……。
かくしてゴールは切られる。空はいまにも泣き出しそうで、気温もかなり低い。緊張もしないけれど、モチベーションもはっきりしないまま、僕は立派なゲートをくぐって飛び出した。(つづく)
緊張感ゼロな感じの自分。でも、リラックスしてたわけで
もない。しかし、何に拍手したんだっけ?
