“ホノルル”直前インタビュー(2)

「人はなぜ“ホノルル”を目指すのか?」。その理由を、2回のフルマラソン経験を持つ「ランニングスタイル」編集長のジャック高橋さん(J.T.)にインタビューしています。


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フルマラソンは最高のデトックス

T.T. スタートで大興奮して、20km地点で問題が発生したって言ったよね。まず、その20kmまではどうだったの?
J.T. スタート直後は人が密集していてまともに走れないんですよ。10kmまで1時間以上もかかって、なんじゃこりゃって思いました。その先で最初の難関が待っていた。ダイヤモンドヘッドの上り。けど、これも意外に行けちゃったんです。なんだかするするっと20kmまでは走れた。ところが、便意をもよおすんです。
T.T. 君はいつもシモ方向に行くね。
J.T. 僕、走るとほぼ必ずトイレに行きたくなる体質なんですよ。で、なにしろ“大”なのでトイレを見つけてみたら、これがかなりの行列! 20分も冷や汗を流し続けたんですから。なんだよそれって怒ってはみたものの、内心では休めてうれしかった。
T.T. そんなに並ぶなら、便意をもよおしたくないなあ。

J.T. 実は50m先にも別のトイレがあったんです。でも、経験がないから気づかず並び続けるしかなかった。次に30km手前で、自分の電池が切れました。笑っちゃうくらい、パタッと足が動かなくなる。40kmまではかなりしんどかったですね。800m走っては500m歩く。その繰り返し。
T.T. それ、怖いなあ。
J.T. でもね、沿道のボランティアの方々の親切に支えられた区間でもあるんです。ボランティアの人がオレンジをくれたんですけど、世の中にこんな旨いものはないって思いましたね。その時点で38年間生きてきて、これほど純粋に「ありがとう」と言えたことはなかったくらい。


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T.T. 30kmを越えるとそんな気持ちになるんだ。ゴールはどうだった?
J.T. 泣きました。笑い事じゃなく、何とも言えない達成感がこみ上げてきて、涙がこぼれるんです。
T.T. 君でも泣けるんだ。
J.T. ゴールの先にシャワーのトンネルが設けられていて、降り注ぐ水でごまかしながら、号泣ですよ!
T.T. 人生観が変わる人もいるって話だからね。そんなに感動するものなんだ。

J.T. これは断言できますが、あの気持ちは走ってみないとわかりませんね。自分がフィニッシュした後も、10時間くらいまではゴールに見入っちゃいました。親子、カップル、友だち同士。もうみんな感動してる。その姿をただぼうっと眺めたんです。それからしばらくはピュアな気分でしたね。帰りの飛行機から見た空がまたきれいで。マラソンって、最高のデトックスだと思いました。自分のなかのイヤなもの、すべて洗い流してくれました。効果は1週間でしたけど。

T.T. 君の場合はそうかもね。ところでタイムは?
J.T. 1年目は5時間30分。2年目は4時間40分です。ふふん。
T.T. なぜ鼻を鳴らす?
J.T. 2年目もまたゴールすると泣けるんですよ。もうやめられませんね。「ランニングスタイル」でも、毎年のゴールはホノルルマラソンにしようと決めました。そして今年も走ります。
T.T. 泣くのかなあ。オレも。
J.T. T.T.さんの感動のゴールは、ウチのカメラがばっちり押さえますよ!


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