ホノルルマラソン リアルリポート(5)

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朝日を浴びたトコロテン


ふと思い立ち、再び書きはじめることにしました。中途半端にしていたら、「続き、書け」と知り合いに怒られたし。
で、どこまで走ったんだっけ? 往路のダイヤモンドヘッド上り? うわっ、まだ残り30キロもあるじゃないか……。

午前5時、真っ暗闇のなか花火を合図にスタートして、ダイヤモンドヘッドの上り坂で朝日を見る。
ここまでおよそ2時間。距離にして約15キロ。一度にまとめて10キロ以上も走った経験などなかったが、ひとまず肉体は問題なし。

なにしろペースが遅いのだ。こんなにゆっくり走ってたら日が暮れちゃうぞと、日が昇ったばかりなのに思った。

心の内ではいくらか焦りが募った。でもその一方で、最後まで走り切れるペース配分というものもまったくわからなかった。であれば、心肺も足もまったく支障がないこの時点では、このくらいのったりした走りでいいのかもしれない。

それに、相変わらず周囲には人が多い。腕や足が振れる最低限のスペースは確保されているけど、この人波をかき分けて自分だけペースアップしようという気持ちになれない。朝の通勤時間帯の電車と似たような状況と言えばいいのか、押し出されたトコロテンのようにして大勢の人間が道の上にいる。

そんなマラソンラッシュは、ダイヤモンドヘッドを越えた次のシークエンスでも変化はなかった。というか、密集したランニング集団の実態がより鮮明になったと言ったほうが正しいだろう。


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カハラという住宅街。ここでコースは何度か直角コーナーを迎える。おそらく、規定の距離を稼ぐためなのだろう。ゆるやかな坂を上り下り、いくつめかの角を曲がって下り坂の頂点に達したとき、本当にゲップが出るような思いがした。

自分のいる場所から下り坂のいちばん下までの数キロ、そのすべてをランナーが埋め尽くしている。そんな状況のなかで走った経験などなく、また過去にテレビなどで見たマラソンの映像でもこんな場面にはお目にかかったことがなかった。不思議なもので、自分も上下動を繰り返していながら、目の当たりにした光景は完全な静止画に見えた。

スタート前に元気だった日本人はすでに無口で、走り出してから叫び声を挙げはじめた外国人たちもここまで来たらただ息をするだけ。前後や左右で押し出されるトコロテンとなっている人たちは、この状況をどう感じているんだろう。集団心理的に心強いのだろうか。それとも閉塞感を覚えるのだろうか。

僕はと言えば、ただただ唖然となっていた。そして、これもまた人気を集めるホノルルマラソンのリアルな姿なのだと、トコロテンの真ん中で漠然とそう考えていた。

記憶が正しければ、次のステージはハイウェイ。自身未踏の距離は続く。


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