ホノルルマラソン リアルリポート(8)
純度100パーセントのボヤキ
アラモアナだのダイヤモンドヘッドだのカハラだのと地名を頼りに書いてきたけど、ホノルルマラソンはもちろんハワイに行ったことがない人には、土地勘も方向感覚もないはず。
というわけで、ここで一度コース全体をおさらいしたい。
などと夜中に突然思い立ってしまい、鮮明なコース図がないことに気づき、やむを得ず、「ランニングスタイル」誌Vol.6から写真を撮って勝手に引用させてもらうことにした(事後承諾ってことで、編集長)。なので、若干ゆがんでますがご了承を。
ご覧いただいたとおり、コースはオアフ島南岸を沿うように設定されていて、ダイヤモンドヘッドの南斜面を縫う以外は、ほぼ全域平坦な道程だ。地図内に示されている四角のなかの数字はマイル表示。
ホノルルマラソンでは、基本的にマイル表示がメインで、最近になってからキロ表示も行なわれるようになったそうだ。日本人の感覚的にはキロ表示のほうが何かと都合がいいけど、マイル表示のほうが単純に数が少なくて、いくらか精神的に救われるような気もする。
でも、後半を迎えて苦しくなると、どっちでもよくなってくるんだけど。
前回報告した往路のハイウェイは、マイル表示の11から15の先まで。そこから時計周りでハワイカイという街に入る。
ここは、小さな湾や河口付近にヨットハーバーがあったりする、いわゆる高級住宅街だ。コース的には、実際の距離とは別に折り返し地点となる。
残り約10マイル。キロなら16。全行程の半分を過ぎ、あと一息って印象ですか?
いやいや、リアルなマラソンはそうじゃない。みんな、ここらでドッと疲れが来るのだ。
僕の周囲では、走っている人が4割、歩いている人が4割。残る2割の人は、いよいよ立ち止まっている。
ついに僕も走るのを止めた。周囲の様子に甘えてみた。それから、ハワイカイの入り口で「しん」となったヒザが気になって、軽くストレッチなんかしてみたりもした。
そして、正直に言えば、ちょっとだけ飽きた。
こんなきれいな街まで来て、なにやってんだオレ? と小さくつぶやいたのも、ハワイカイだった。
それは後悔というほど深刻なものではなく、かと言って再び元気よく走り出すための起爆剤になるはずもなく、なんというか、心の奥底から空気がぽっと抜けるように出た、純度100パーセントのボヤキだった。
そんな質の高いボヤキを見たのは、僕も生まれてはじめてだった。
