ワイルドスピードX3 Tokyo Drift (0003本目)
「文部省認定」にすべし!
「はぁ?」
日本を舞台にした外国映画を観ているとそう思うことがよくある。ま、彼の地の人間が監督をしているのだから多少の錯誤は避けられないものの、「それはないんじゃないの」と突っ込みたくなるその瞬間だ。
最近、またもやその思いに駆られたのが、『ワイルドスピードX3 Tokyo Drift』を観ていたとき。
トラブル続きでアメリカの高校を追い出されたショーン(ルーカス・ブラック)。少年院行きを逃れるため、父親を頼って日本にやってくる。そして東京に着くなり放りこまれたのが、ごくごく普通の高校。けっしてインターナショナルスクールなんかではなく、どこにでもあるありふれた学校だ。
その高校での第1日目。
「アリガトウ」と「ウワバキ」(!?)くらいの日本語しか知らないショーン。右も左もわからず自分のクラスと思しき教室に入っていくと、そこには南米系の美人なクラスメイトがフェロモン出しまくりで席に座っていたりする。
ちょっとした違和感を覚えつつも猜疑心を押さえ観ていると、場面は学校の食堂でひとり昼食をとるショーンに。そこへ登場するのが黒人ラッパーの……? そう、同級生。
いつから日本の学校はそんなに「国際化」が進んだのでしょう? その後も「はぁ?」は続く。それはもうツッコミどころ満載なのだ。
とは言えこの映画の売りは東京を舞台にしたドリフト勝負で、ターゲットは土屋圭一を神と崇める走り屋のお兄さん達。そう考えればカーアクション重視で良いんだと思わなくもないが、油断していると鋭い比較文化論的批評に目を覚まされたりする。
そのひとつが、日本人が持つ外国人観。東京の公立高校で学ラン着て「ウワバキ」を連発していれば、周囲から疎まれるのもわからなくもないけれど、各所に我われ日本人の閉鎖性を暗に示唆する会話が展開される。そのキーワードが「ガイジン」だ。
イギリス人の友人が“Friendly racism”(友好的な人種差別)と逆説的に表現したように、日本人は一見親切でありながら、その心底は計りかねるという印象がまだまだ外には強い。
そこで思った。
この映画こそ「文部省認定」にすべきだ。真の国際国家を目指すのであれば何が必要か。図らずもこの映画はそれを再認識させてくれる。
これはりっぱな教育素材だ。そう思い試写室を後にしたのであった。
9月16日より全国一斉ロードショー
公式ホームページ:http://www.wx3.jp/top.html

それぞれの「引き出し」を
つくっているのはこんなひとたちです。