007/カジノ・ロワイヤル[本編] (0013本目)
パンダはどこ?
007ことジェームス・ボンドの映画となれば、キャスティングやストーリーもさることながら必ず注目されるのが、スクリーンを飾るクルマの数々だ。いよいよ公開される007最新作『カジノ・ロワイヤル』でもボンド・カーに採用されたアストン・マーチンDBSをはじめ、『ゴールドフィンガー』などでも登場した鈍色(にびいろ)が渋いアストン・マーチンDB5、ベントレー・コンチネンタルなどハイエンドなクルマが次々と登場する。
そのなかでも僕が高い期待とともに注目したクルマは、なにを隠そうフィアット・パンダだ。そして、その理由は至極単純である。
自分が乗ってるクルマだから。(すみません、至極個人的で……)
正確を期せば、僕が乗っているのはプロダクトデザインの重鎮、ジョルジェット・ジウジアーロが手がけた初代パンダで現行パンダではないのだが、やはりパンダ乗りとしてこれは見逃せない。いや、それどころか見逃してはならない、そう決意した。実際、あるサイトが配信したニュースでパンダが『カジノ・ロワイヤル』に“出演”すると初めて知った瞬間、少なからず心躍ったものである。
ということで、映画そのものというよりはパンダを観にいった今回の試写会。結果から先に言えば、話の筋うんぬんは別にして、散々たるものだった。それはなぜか?その理由もこれまた至極単純なものだった。
パンダを見つけられなかった。
「パンダよ、何処にいたんだ?」
試写会場を後にして思わず叫びたくなった。目を皿のようにしてスクリーンを眺めていたつもりだったけれど、パンダの影すらどこにも見つけることができなかったのだ。今では、僕の目が節穴だったのか(その可能性は多いにあるのですが……)、はたまたそのクルマ情報サイトが何か勘違いしていたのか知る由もないが、その落胆は、崖のはるか高みから突き落とされたくらいの暗澹たる気分だった。
燦然と輝く、ウン千万円は下らない高級車のなかで異才を放つパンダ。その勇姿をぜひともと思っていたのだけれど……
しかし途中、パンダ以上に異才(いや、正確には異様?)を放つ“乗り物”の登場に目を奪われた。
ボンド(ダニエル・クレイグ)が南の楽園、バハマでの任務にあたるシーン。文字通り紺碧の海で、007が息抜きがてら泳ぎに興じていると、ミス・ユニバース級のキレイなお姉さんが登場する。その優雅でセクシーな立ち振る舞いは、ボンドでなくても目を細めたくなるほど。しかしその美貌とは別に、彼女の佇まいにはどこかしっくりこないものがあった。そして、その原因とはまさにこれに尽きると思う。
白馬に跨って登場する。
この演出はどうしたことか。英米のメディアが絶賛するだけあって、『カジノ・ロワイヤル』は全編を通して非常にクールな作品に仕上がっていたけれど、このシーンだけは見るものを困惑させた。というか現実問題としてありえるのだろうか、ビーチに白馬で登場……。
セレブ=馬というつながりは(少なくとも欧州では)分からなくないが、バハマでその必要性があるのだろうか。些細なことではあるがやたらと強い印象を脳裏に残す一場面だった。もしかするとこの後遺症でパンダの登場を見逃してしまったのかもしれない。
なので、みなさん、もしフィアット・パンダを発見したらぜひともご一報ください。
12月1日(金)より、サロンパスルーブル丸の内他、全国松竹東急系にてロードショー
公式ホームページ:http://www.sonypictures.jp/movies/casinoroyale/

それぞれの「引き出し」を
つくっているのはこんなひとたちです。