ゴーストライダー (0022本目)
バイク野郎の条件
さて問題です。
「運命の鎖に繋がれた、アナザー・ヒーロー」といえば誰?
と聞かれてすぐさま正答できる人はそういないだろう。ちなみにこれ、ニコラス・ケイジ主演『ゴーストライダー』のタグライン(=宣伝文句)。答えはそのタイトルどおり、ゴーストライダーだ。
「アナザー(もうひとりの)」というのだから本命ともいえる対抗軸が想定されているはずで、そのキャラの名はスパイダーマン。ここまでくればピンと来る人もいるだろう。そうゴーストライダーはマーベル・コミックが生み出したヒーローキャラなのだ。
ストーリーはと言えば、命知らずのスタントショーでバイクを操るジョニーがガンに蝕まれる父親の命を救おうと、悪の権化メフィストと取引をする。その取引内容とは「自分の魂と引き換えに父親の健康を取り戻す」。翌日、父親はあたかも若返ったようなハツラツさを見せるが、事態は思わぬ方向に暗転する……。
筋はさておき、そのジョニー(ニコラス・ケイジ)。スタントショーはまさに規格外でファンの心を鷲づかみにするのだが、さぞかしハードボイルドな人間かと思いきやとんでもない趣味を持っていた。
カーペンターズ好き。
あの、カーペンターズだ。ここで大きな疑問がわく。そんなことバイク野郎に許されるのか? なんかどうもゆるくないか?
たしかにカーペンターズには『Top of The World』なんていう、タイトルだけみればなんとなくハードな感じの曲もあったけど、当然、180度正反対。しかもジョニーのカーペンターズ好きは半端ではない。ショーの前に控え室で集中力を高めるシーン。ここでもやはりBGMはカーペンターズだ。しかも曲の途中で部屋にスタッフが入ってくるとすかさずこうのたまう。
「おまえ、カレンのパートの途中だぞ」
明らかに気分を害したジョニー。当然、観客としては笑うところなのだろうが、僕は逆に当惑してしまった。やはりカーペンターズはバイク乗りの記号としてまずいのではないか。
では、逆に誰ならOKなのか?たとえばこの映画のサントラに使われている曲にオジー・オズボーンの『Crazy Train』がある。そうオジー好きなら許されるのではないか。スタント前の精神集中をするシーンでこの曲が流れる。スタッフが断りなしに控え室に入ってくるとこう述べるのだ。
「おまえ、ランディーのソロの途中だぞ」
これだったらありだろう。ランディー・ローズはオジー・オズボーンを支えた伝説的ギタリストだ。そのギターソロを踏みにじるような行為はやはり許されないのではないか。しかもファイヤーパターンのチョッパーを駆る者の台詞らしく聞こえる。
この例からも分かるように(?)、バイク乗りはいろんな記号に縛られている。してはいけないこととして良いことが明確に決定づけられているのだ(多分)。そしてバイク乗りにもうひとつ許されていない記号と言えば次のようなことではないか。
「髪の毛が薄い」
この発言をするのは勇気がいることだ。なぜならオトコである限りいつ自分の髪が薄くなってくるか分からない。でもやはり相撲取りとバイク乗りはフサフサでなければいけないと思う。その点、ニコラス・ケイジはツラいじゃないか。そう思うむきもあるだろう。でも心配ご無用。装着に3時間を要したというアデランスで登場しています(場面写真参照!)。
3月3日より日比谷スカラ座ほか全国東宝洋画系にてロードショー
公式サイト:http://www.sonypictures.jp/movies/ghostrider/index.html

それぞれの「引き出し」を
つくっているのはこんなひとたちです。