スパイダーマン3 (0028本目)

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とりついて離れない!

今回の映画は、世界最速プレミアが日本で行われメディアを賑わした『スパイダーマン3』。六本木ヒルズを会場に行われたマスコミ試写会は空港さながらのセキュリティーで、上映中には暗視スコープ(?)で観客を監視する警備員までいるものものしさだった。

今作のストーリーはといえば……。前作までになんとか一般市民そして同時に正義の味方スパイダーマンとしての自身の二面性に折り合いをつけた、ピーター・パーカー(トビー・マクガイヤ)。今はただただ恋人メリー・ジェーン(キルステン・ダンスト)との幸せな結婚生活を夢見る。しかし、そこはスパイダーマンとしての因果か、ささやかな幸福にひたろうとするピーターを邪魔する輩が次々と現れる。

そのひとつが、謎の黒い宇宙生命体。寄生虫のようにピーターの体にとりつき、感情をコントロールしてスパイダーマンをダークサイドに引き込もうとする。さらには自分の父親を殺したとしてピーターへの復讐を誓う元親友ハリーもニュー・ゴブリンとなって襲いかかる。

そのハリーとの対決シーン。なんとか誤解を解こうとするピーターだが、耳を貸そうとしないハリーと心ならず闘うはめに。一進一退を続けるも最後はピーターの一撃が決まり、地面に伏すハリー。ふと我に返ると、親友をあやめてしまったのではとの不安に襲われるピーター。ぴくりともしないハリーを胸に抱え、事の重大性に戸惑う。
ものすごくエモーショナルなシーンだ。カメラが寄る。アップになったピーターの顔が紅潮し、感情が高まっているのが分かる。
さらにカメラが寄る。この時点で、スクリーンいっぱいに複雑な感情うずまくピーターの顔が映し出されている。会場全員が手に汗を握る。しかしその瞬間、僕の頭にはまったく別のことがよぎってしまった。

「あれ、彦摩呂?」

いやいや、そんなわけはない。しかし不謹慎だとは思ったが、ピンと来てしまったのだ。「いや、どう見ても似てないでしょー」との批判は甘んじてうけよう。実際、ピーターを演じるトビー・マグワイアと彦摩呂ではルックスに雲泥の差がある。決して二枚目とは言えないが、すっきりとした顔立ちのトビー・マグワイア。かたや職業病とでも言うのか料理リポーターゆえ、まるまるとした顔立ちの彦摩呂。しかしそのエモーショナルな瞬間、紅潮し、感情に力んだピーターの顔を目にしてやはりこう思ってしまった。

「おい、彦摩呂!」

いやいや違う。そうだけど、そうじゃない。それじゃあ、逃亡犯の手配書みたいじゃないか。だいたいそんなことを書きたいがためにこの原稿を書き始めたのではなかったはずだ。
実際、世界で絶大なる人気を博しているこのシリーズの節目ともいえる今作では、いままでの単なるスーパーヒーロー物の殻を破り、悲哀・友情・葛藤・愛情に溢れるドラマツルギーが展開される。僕の隣に座っていた女性は途中、感極まって涙していた(と思う)。

その彼女が正しい。彦摩呂なんてどうでもいいんだ。書きたいのはそんなことじゃない。でも頭を離れない。そして画面にピーターが現れるとこう思ってしまう自分がいる。

「おい、彦摩呂!」

5月1日(火)、世界最速公開!
http://www.sonypictures.jp/movies/spider-man3/site/index_jpn.php


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