TAXi④ (0032本目)
writer’s block!
駄文、名文に相違なく、書くことに行き詰ることを英語で “writer’s block”と言います。文字通り、物を書く人(writer)が直面する障壁(block)。まさしくそれにぶち当たったのが、8月末に日本公開になる『TAXi④』を観たときのこと。梅雨の雨に濡れる六本木の試写室をあとにして思った。
「で、何を書けばいいんだ?」
一時のパニックをしのいで心を落ち着けると、そんなことになった理由がいくつか頭に浮かんだ。
1. 途中で寝てしまった(!?)。
2. フランス語だった。
3. なにやら印象の薄い映画だった。
1.)に関しては何も言い訳ができない。「すみません、不覚でした……」としか言いようがないのだけれど、実際には寝たというより、途中まぶたが重くなって一瞬気を失いはしたがストーリー展開はすべて追っていた(説得力ない?)。なので、理由としては弱い(と思う)。
では、2.)はどうか。確かに大学で2年間、第二外国語としてフランス語をとってはいたが、ただ単に「フランス語選択は女の子が多いから」という理由だけでフランス語を選んだ身としては、耳で聞いただけでは会話のやり取りなど当然分かるはずもなく、ひたすら字幕を追っていた。
なので、これは理由としてあり得るが、と同時に言語はなんであれ書くことに困らないというか、逆にたくさんありすぎてどれについて書こうか悩む映画もあるくらいだから、これも理由としては弱い。
では、3.)か? せっかく試写に行かせてもらって「いくらなんでも、そんな物言いはないだろう」と自分に対して思わなくもないが、つまるところこれではないかと思う。
などと考えていたら、以前にもそんな思いが頭をよぎった映画があったことを思い出した。しばらく脳裏の記憶を手繰った末、思い出したそのタイトル……
『TAXI NY』
やっぱりお前か。
『TAXI NY』は、人気を誇った『Taxi』シリーズにあやかろうと制作されたアメリカ版だ。タイトルどおり、その映画の舞台はニューヨーク。以前働いていた新聞でレビューを書いて、かなりな勢いで袖にした記憶がよみがえる。
しかし、同様の感想を持った人はほかにもいるはずだ。たとえば、試写の会場で手渡されたプレス資料。
「フランスで2700万人が観た!!」
それって多いのか? 基準が分からない。しかもこれってシリーズ4作累計の数字。宣伝をする側も可能なかぎりインパクトを強めようとするなりふり構わない様子が見て取れる。さらには……。
「脚本:リュック・ベッソン」
毎度繰り返される宣伝文句だ。1度ならいいけどそれが4度ともなると、かなり痛々しい。実際、このシリーズは脚本家の名前を言えても、監督の名前を言える人は少ないのではないか。いやホントにかなりの少数派だろうなー。でも、『レオン』を境にリュック・ベッソンの神通力も落ちてきていると思うのは僕だけだろうか……。
8月25日(土)、全国拡大ロードショー
公式ホームページ:http://taxi4.jp/

それぞれの「引き出し」を
つくっているのはこんなひとたちです。