Mr.ビーン カンヌで大迷惑?! (0040本目)

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言語音痴は笑えない


今回の映画は、Mr.ビーンの新作『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』。光陰矢の如しというけれど、テレビドラマで人気に火がつき映画化された前作からすでに10年も経っているというので驚いた。

しかし10年経っても不変なものがあるとすれば、それはまさしくMr.ビーン。そのお騒がせぶりは健在だ。
クジ引きで南フランスでのバケーションという特賞を引き当てたMr.ビーンだが、その道のりはトラブル続きというのが今回のストーリー。電車でパスポートと財布を失くすは、パリで道に迷うはと、果たして目的地カンヌに到着するのかしらん? と思わせるくらいの右往左往ぶりを披露する。

そのビーンの道中、こんなシーンがあった。ロンドンからパリへ向かうユーロスターの食堂車でビーンがコーヒーを注文する際のヤリトリ。

ウェイトレス:Un Café?(コーヒーですか?)

ビーン:Oui.(はい)

ウェイトレス:Du sucre?(お砂糖は?)

ビーン:Non (いりません)

ウェイトレス:You speak very good French!(フランス語がお上手ですね!)

ビーン:Gracias!

そう、お気づきの通り、自分のフランス語を褒められ上機嫌になっていながら口を突いて出てきたのはスペイン語だった、というオチだ。会場は爆笑していたけれど、僕は空恐ろしくて笑えなかった。なぜなら最近、これとまさに同じ経験をしたのだ。

以前から英語以外にもう一言語と思っていた僕は、意を決してイタリア語学校に通うことにした。そこでの初日。まずはあなたのイタリア語のレベルを判定しますと言われ、教室にイタリア人の先生と二人きりになった。長年イタリア語を勉強したいと思っていたものの、なんら努力をしていなかった僕。その場で、判定も何もイタリア語の基礎知識がほぼないことに初めて気づいた(←もっと前に知っとけ、というお叱りはごもっともです……)。
当然、頭はまっ白。マズイ。なんとか頭の片隅に破片のように残っていたイタリア語(らしきもの?)をつなぎ合わせて口を開き始めた。でも、一単語発すれば、もう次が出てこない。

難儀している僕を見て、さすがに先生も助け舟を出してくれる。やはりネイティブの先生のリードがあるとなんとなく調子が上がってくるのだが、調子に乗りすぎてしまったのがいけなかった。

先生:じゃあ、どこに住んでるんですか?

僕:Mi casa….(←ちょっと自信ありげに)

先生:それはスペイン語です。

僕:すみません。(←すでに自信消失)

先生:じゃあちょっと休憩してコーヒーでも飲みますか?

僕:S’il vous plait. (←ちょっと気を取り直して)

先生:それはフランス語です。

僕:すみません。(←穴があったら入りたい……)

そう、Mr.ビーンを笑う資格など僕にはないのだ。さらには初めての授業でのこと。同じクラスにイタリア語がかなり達者な女の子(仮にAさん)がいたので、拙いながらこう発言した。

僕:Posso stadiare l’italiano molto bene perche…(このクラスで勉強がはかどると思います、なぜなら……)

Aさんはイタリア語がうまいので僕にとっても勉強になる、と言葉を続けようとしたのだが、代わりに出てきた言葉が……。

僕:Aさんがe bella!

そう、「Aさんがカワイイから!」と叫んでしまったのだ。クラスメイトがカワイイから勉強がはかどる!? 僕自身は難儀しながらもセンテンスを完成させたことに満足してしまったため、自分の発言が意味するところに気づくのに時間がかかった。その間、水を打ったようにしーんとする教室。誰もが「何言ってんだ、コイツ?」と思ったに違いない。完全に居場所のない僕。しかしここでそのコトバを向けられた張本人であるAさんに助けられた。

Aさん:Grazie!!(ありがとう!)

そう、やはりMr.ビーンを笑えない。

2008年1月19日(土)、日比谷みゆき座ほか全国ロードショー。
公式ホームページ:http://www.mrbean.jp/


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