同い年

試し弾きさせてくださいと、喉を越えて前歯の裏まで
出掛かった言葉をぐっと飲み込みました。
僕と同じ年に生まれた1962年製のギター。

同い年な人や物に出会うと、一気に親しみがわくというか、
勝手に懐かしくなるというか、奇妙な連帯感を覚えませんか?
生まれた場所や今日までの経緯はまるで違うのにね。
同じ空気を寸分たがわず吸ってきた仲間だと思うのかなあ。

同い年な物に最初に惹かれたのは、
37歳のときに手に入れたコールマンのランタンでした。
そのころはわりとキャンプに行く機会が多かったけれど、
その時点で37年も経過しているちょっとレアなものを
実際にキャンプへ持っていけるはずがないんです。
それは、つまりただの衝動買いでした。

でも、そんな衝動に駆られたのは、「37年も生きちゃった」という
ため息混じりの感慨が胸に宿りはじめたからだと思う。
だからきっと、ある程度人生を生きないと、
同い年の巡り会いに連帯感は覚えないんでしょうね。
早実の佑ちゃんと駒苫のマーくんなんかじゃあまりに若すぎて、
連帯感じゃなく敵対心しか芽生えないかもしれないし。

なんか老人の繰り言みたいになってきた。

例のギターは、アメリカのマーティン社製。
いまから44年前、田舎町の工場から出荷されたそいつは、
いろんな人に大事にされながら、決定的な事故にも遭わず、
そして海を越えて僕の目の前に姿を見せた……。

なんて、同い年というだけでイメージが暴走しちゃうんですよね。
もし試奏して音色まで素晴らしかったら、マジでヤバかった。
棺桶まで持ってゆくギターがまた増えるところだった。
う~ん、増やしてもいいかなあ。デカい棺桶にすりゃいいもんなあ……。

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