裂織

機織りをしました。週末のアウトドアイベントでのことです。

裂織って知ってますか? 裂き織りとも書くようだけど、
古い布を細く切って横糸に使う、つまり再生布のことです。
僕はまるで知らなかった。というより何より、
自分で布を織るなんて行為自体が生まれてはじめてでした。

民芸品売り場の実演コーナーとかで見た覚えのある、
縦糸に横糸を通して、がしゃこんと板を手前に引いて、
少しずつ布が織られてゆく、なんともシンプルな木枠の機械。
あれがイベント会場の一角にあって、
ワークショップ的に体験可能となっていたんですね。

いやまったくもう、一織りずつしか進まず、ただただ単調に
同じ作業を繰り返してゆく以外に一枚の布になり得ないんです。
そんなこと、想像では当たり前だと思えるんだけど、
実際に自分の手で体験してみると、
当たり前のなかに潜んでいる膨大な情報量にがくんとたじろぎます。
それはもう感動的にショックでした。

昔の人は偉かったなあと思いつつ、
今日当たり前のテクノロジーが生まれるに至った経緯は、
そうしたあらゆる手間の削減からはじまったんだと改めて悟るわけです。

しかし、今日的テクノロジーが与えてくれる幸福感と、
人の手で糸を交差させて生まれる布のそれは、
果たして同じ種類のものなんだろうか?

なんて大きなテーマ以前に、昨日のここでランタンを持ち出して、
「ったく最近の若者は」風な話をした自分が、
いまさらちょっと恥ずかしいってことなんですけどね。


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