皺のリアル

ようやく観ることができました、『ミリオン・ダラー・ベイビー』。
映画館でもテレビでも逃し、ちょっと前にレンタルDVDを借りたのに
急な取材で見ずに返却。やっぱお盆でしょ、映画は!

しかし、公開から2年も経つのにストーリーを
知らなかったのは奇跡ですね。最後までじっくり鑑賞できた。

いろんな作品評をネットでチェックしてみたんだけど、
アカデミー4部門受賞作品だけに、さまざまな書かれ方をされてますね。
全部を確認したわけじゃないけど、まぁなんというか
褒め方もけなし方も共感できるものはなかったなあ。
結末のとらえ方に触れているのが大半だけど、僕は結末そのものより、
全編を通じてのしかかってくる人生の理不尽と悲しみ、
その淡々とした表現に最初から最後まで胸がしびれてました。
ものすごく悲しいのに泣けないんです。

監督した作品がもうすぐ30本になるクリントさんは、
去年の硫黄島2部作でもそうだったけど、
人生のリアルの描き方についてますます深くなってますよね。
映画という大掛かりな装置でリアルを見せるのって、
すごくむずかしいと思うんです。
映画って、夢と希望が売り物でしょ。なのに現実と失望を提示して、
それでも2時間なりを飽きさせないなんて離れ業の世界ですよね。

たぶん、CGのような映像技術のリアルじゃ響かなくなってるんです。
それは、僕自身が年をとったせいもありますね。
77歳のクリントさんの顔の皺がカッコいいと思うんですから。


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