お疲れ!

たとえば勇気や希望をストレートに教えてくれる
もっとも代表的な存在としてスポーツ選手がいます。
7年連続200本安打とか、ケガを乗り越えて2000本安打達成とか、
なんか野球ばっかりでたとえてますが、
そういうストーリーはみな圧縮されダイジェストとして
僕らに伝わるわけです。
でね、そのほうが気軽というか、ヒーローの素顔は知らないほうが
いいかもしれない、と思ったりするときがあるんです。

「ヴァレ・ダーリン!」の藤波貴久選手が、
2007年のトライアル世界選手権を3位で終えました。
今シーズンまだ一度も優勝がないまま迎えた9月の残り2戦。
彼としてはなんとしても1勝したかったはず。
なのに、最終戦がいきなりキャンセル。チャンスの確率は半分に減り、
その事実上の最終戦で、今季最悪の5位を記録……。

去年から抱えていた病気や、あるいは不意のケガのことを考えたら、
それでよくランキング3位になれたと、
それはめちゃくちゃスゴいぞと驚くんです。
けれど、そういう事情を申告したところで結果は変わらないし、
何よりすべては自分に責任があることを、藤波選手は知り抜いている。
本当にアイツは言い訳しないんだよなあ。

だからことさら、かける言葉が見つからないんですよ。
よくやったとか、来年があるさとか、そういうの全部白々しい気がして。

今度日本に帰ってきたら、旨いものを食べに行って、
お疲れ! って言おうかな、と思っています。
やっぱ戦うアスリートにはメシだ。それでいいんだ、たぶん。


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