むじゃきな国

そういうもんかあ、くらいの気持ちで聞いてください。

僕がオートバイに興味を持ちはじめたころに読んだ専門誌には、
「アメリカってのは家族総出でレースを見にゆく。
それがまたほほえましくて素晴らしい空気なんだ」というような
記事がけっこう紹介されてました。

ビア樽みたいなお腹のオッチャンが
窮屈そうにオートバイにまたがって、それをオバチャンが笑顔で見守り、
そばには孫と思しき小さな子供たちがいて、
そういうふうにみんなでオートバイが楽しめるのって、
ちょっと大げさだけど理想郷に見えたんですね。

その憧れの場所に来てる感じです。
バッズクリークのモトクロス・オブ・ネーション。
今回は、アメリカの英雄がこれを最後に引退することもあり、
ものすごい人出。その大勢の人たちは、ただレースを見てる。
そりゃ人気選手が走れば歓声を上げたり、
午後から晴れた空の下では旨そうにビールを飲んだりしてるけど、
基本的には行儀よく、そこで行なわれている
スペクタクルをありのまま受け入れてる。

そういうふうにして、誰もが“おらが村の祭り”に
しっかり参加してるんです。流行り廃りとか無関係で。

テレビを眺めてると、英雄視的海兵隊のコマーシャルが流れていて、
そのあまりの平然さにため息がもれたりするけど、
娯楽に関する素直さは、やはりアメリカの美点だろうと思います。
本当にね、すがすがしいほど素直むじゃきなんだよなあ。


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