リアリティのある引退
古田さんが引退しましたね。
選手と監督を同時に辞める例って、きわめて稀でしょう。
でも、選手と監督、どっちを引退するほうがさびしいかなあ。
とても優れた選手だったけど、現役復活を願ってはいないんです。
専任監督として球界にもどることは強く望むけどね。
たとえいくつになっても現役復帰を期待された
きわめて稀な人と言えば、長嶋さんでしょう。
監督としての才能はともかく、やっぱり長嶋さんには
背番号3を背負った姿であってほしいと、
昭和の大人や子供はいつまでも幻影を追い続けてしまうんです。
でも、彼の時代のプロ野球は、いまよりうんと恵まれた境遇にいました。
長嶋さんが引退してから最低でも20年くらいは、
巨人だけじゃなくプロ野球全体は不滅の地位に君臨することできた。
古田さんの時代とは、決定的に何かが違う。
それでも二人に共通しているのは、ファンに愛されたことです。
その理由を青臭いフィルター越しに考えてみると、
二人ともファンを愛していたからだと思うんですよね。
長嶋さんが現役を引退したのは、23年前の10月14日。
12歳の僕は、土曜の午後、ミニバスケットボールの練習をさぼって
小学校の視聴覚室に潜り込み、
そのセレモニーをただ見守ることしかできなかった。
けれど古田さんの場合は、ほぼ同じ時代を生きるリアリティを持って、
その心境を推し量ることができるような気がするんですよね。
