早生と赤福

♪みかんの花がぁ、さあいてぇいるぅ~、って、
つい歌っちゃいませんか、この時期に食べると。
美しいメロディラインを持つこの曲の題名、知ってます?
『みかんの花咲く丘』。
上の歌詞に、♪思い出の道ぃ、お~かのぉ道~、と続くんですよね。
曲の抑揚がね、青空に突き出た丸い稜線をイメージさせるなあ。

この時期のみかん、すべてがそうだとは限らないんでしょうが、
おおむね「早生」と記してあるんですよね。
仮にそんな断りがなくても、ちょっと青かったり小さかったりするから、
「そういうもんだ」と納得できる。

でも、考えてみれば「早生」って曖昧です。
農業的には然るべき規定があるのかもしれないけど、
「本来みかんは冬のもの」という共通認識に寄りかかった上で、
「早く生まれた」と表現するわけですよね。
だから多少酸っぱくても、季節を先取る贅沢をよろこべる。
そういう季節感に根ざした日本人特有の曖昧さって、
僕は嫌いじゃありません。
曖昧という言葉で誤解を受けるなら、風流、かなあ。

でね、だからこそ赤福の件は残念なんですよ。
賞味期限とか、厳正な数字で線引きしようとするから
改ざんなんてことに結びついちゃうのかなあ。
それは日本人古来の感性に合わない取り決めなのかなあ。
食品の安全性をおろそかにしていい、っていう話でなく。

アンコ好きの赤福ファンとして、
300年の歴史がここで潰えないことを祈るばかりです。


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