美しい歯磨き
どうも歯磨きが苦手です。美しく磨けないんです。
ほら、テレビCMなんかだと、歯ブラシにしろ歯磨き粉にしろ、
演者の方は手馴れた感じでさわやかにされてるでしょ。
僕にはあれができない。
生まれついた歯の多くを失ったのも、どうやら歯磨きの
下手さに原因があるらしく、ちっとものん気な話じゃないんですが、
なんというか、でろでろなんです、僕の歯磨き。
どうしたって歯磨き粉が口元からあふれちゃう。
汚くも情けないことでごめんなさい。
でも、口を閉じたまま、口角に白い泡を一切見せずに颯爽と、
そう、まさに薫風のごとく洗面台に向えないんですよね。
人に見せる行為じゃないから、
何もこうして文章にするこたぁないんですけど、
でろでろだらだらせずに歯磨きができないその一点だけで、
僕は自らをさわやかな人間じゃないと思わざるを得ないわけです。
そうして人というのは、ささいなことで自信を失ったり、
あるいは得たりするもんだと、自己弁護的に思うのでした。
歯磨きが上手な女の人がいたら、たぶん見とれちゃうだろうなあ。
積極的に見せてくれる女の人に出会ったことはないけどね。
