積算
野口みずき選手がゴールした瞬間をテレビで目の当たりにして、
鳥肌が立ちました。
それは感動、というより恐れ、または畏れから来たものです。
フルマラソンを2時間台で走るってことは、
42.195キロに渡って時速20キロ弱をキープしなくちゃならない。
クルマだってしっかり動いて見える速度だし、
自転車ならけっこう漕がなきゃならないスピードです。
それをあらためて凄いと思ったし、そんな勢いで走り続けた末に
笑顔でゴールテープを切るなんてね。
そういうとき、つい口走っちゃうんです。オレにはできねぇって。
バレーボールのワールドカップも男子がはじまって、
やはり女子よりうんと速く強いスパイクを見てもそう。
よくあんなの受けることができるなあ。オレだったら腕が折れるぞって。
そうなんです。できるわけがない。
1日の練習量をフルマラソンの倍近くに設定してきたり、
子供のころから段階的にスパイクを受けてこなければ、
笑顔で走りきることも、骨を折らずにレシーブすることもできない。
そうして時に、他人の現時点をながめてうらやんだり、
あるいは妬んだりするけど、目の前に現れない過去の真実を
忘れちゃいけないぞと自分に言い聞かせるんです。
そんな歪んだ気持ちになるヒマがあるなら、自分の時間を積めってね。
てなわけで、“走った距離はウソをつかない”の原理は
たぶん揺るぐことなく、僕に襲いかかるんでしょう。
どうしようね、ホノルル。練習不足なんてもんじゃないよなあ……。
