LAW
「今この場で子供を抱きなさい」
これは、生後6ヶ月の長男がいる被告人に
裁判官が放ったセリフなんですって。
去年読んだ本のなかで心にとまった1冊、
長嶺超輝さんの『裁判官の爆笑お言葉集』(幻冬舎新書)は、
そうした裁判官の、ある意味で超法規的な
生の言葉がぎっしり詰まっています。こういうのもあります。
「罪は万死に値する」
そんな厳しい発言をした裁判長でありながら、
下した判決には執行猶予がつきました。
「心情的には重い刑を言い渡したいのに量刑相場が
それを許さない板ばさみ」があるんじゃないかと、
長嶺さんは裁判官の心中を察しています。
僕は司法についてあまりに疎いけど、
人が人を裁くためのルールブックには限界があるんでしょうね。
「罪を憎んで人を憎まず」を実行するために裁判官のみなさんは
法律に対して真摯な態度を貫くわけだけど、
その結果、人に憎まれることだってあるんじゃないでしょうか。
正義の味方じゃないんですね。時代劇の大岡越前でもない。
彼らもまたひとりの人間で、
おそらく誰よりも正義に直面して苦悩する職業人なんだと、
その本を読んで深く感じ入りました。
「罪を憎んで人を憎まず」という言葉、必ずしも美辞じゃないんだね。
