たとえるなら1年6ヶ月

「携帯電話の1年は、人間にたとえるなら30歳なんです」
そのセリフで、ウツウツしていた僕の目からボロボロとウロコが……。

昼過ぎまでかかってきた番号をカラフルに表示していた
僕の携帯電話。いきなり画面が真っ暗になりました。
落としてもいなければ水に濡らしてもいない。
なぜそういうことになるのか皆目検討がつかないけど、
どんなボタンを押そうとも画面はブラックホールを映し出している。
すべての予定が吹っ飛びましたね。
そんなわけでサービスショップに向ったところで、
指のプクプクした女性スタッフにそう言われました。

「最近の携帯電話はあまりに精密に入り組んでいて、
長く使っていると、ある意味で故障も避けられないものなんです。
それを言い訳にしちゃいけないんですけど」

確かに、そうだ。およそ1年で買い換える人が多いらしいから、
それ以上使っちゃ壊れても仕方ないと言われたって困る。
そんな文句で切り返してもよかったけど、
研修ドクターみたいに真剣で、しかもプクプクした指の彼女だったから、
携帯電話の年齢を知った驚きにすべてをゆだねて、
修理を依頼して帰ってきました。

あなたの携帯電話は何歳ですか? きっとお若いのかしら?
ちなみに僕のケータイは購入から1年8ヶ月。
ってことは、彼女の論理で言えば50歳。
なるほどねぇ。くたびれても無理ない年頃なのかなあ。

そして僕は、携帯電話にたとえるなら1年6ヶ月。
新機種に追われる年頃なのかなあ。


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