彼岸、此岸

お彼岸って、ご先祖様を特に大事にしましょうという
仏事だと思われているけど、元々はちょっと違うみたいです。

彼の岸とは、悟りを開いた境地のこと。
悟りきれていない、いわば煩悩まみれの日常の世界は此岸。
悟りを開くための修行を到彼岸というそうです。ふむふむ。

その彼岸が仏事と重なったのは日本独自らしい。
平安時代に広まった浄土思想によると、
一日の終わりの日没方向、つまり西方に極楽浄土があるとされ、
1年でもっとも真西に太陽が沈む春分と秋分を彼岸としたそうな。
その彼岸の中日を軸に前後3日、計1週間を彼岸会と呼びます。
今年は9月20日から26日までね。

もひとつ付け加えると、自然そのものを敬う古来の宗教にあった、
日願という言葉が彼岸に転じたという説もあります。
いずれにせよ、仏教における最高レベルの悟りの境地と、
苦しみのない幸福に満ちた世界がごっちゃになったというのは、
かなり興味深いですよね。

日本オリジナルの仏教が広く浸透したのは鎌倉時代で、
そのころの普通の人の暮らしはとても大変だったらしいです。
だから死後こそ苦労のない平穏な世界であってほしいと願い、
此の岸から彼の岸に旅立った人に思いを馳せたんだろうね。

お彼岸って何だっけと考えるきっかけになったのは、
実はオハギを食べたいなあと思ったからでした。
ええ、僕は一生、此の岸に根が生えたままで終わる人間です。
で、そのオハギは、秋分のころに咲く萩に由来してるんだって。
アンコも含めて、日本って素晴らしいなあ。


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