最後のニュース

ニュースキャスターにはなりたくないなあと思うんです。
だってね、残念ながらいいニュースというのは少ないでしょ。
というか、言葉を失うような陰惨で悲惨で残念で、
できることなら目を背けたいことばかりが起きて、
それを正確に伝えなきゃならず、およそ自分の意見は言えずに、
時間に追われながら次の原稿を読む。

やりきれないと思うな。その上で平静を装うんだもんね。
僕にはできない。
僕なら、つい頭に来ちゃって段取りを無視するに違いない。

しかし、そうした青臭い正義感はテレビに向かないんでしょう。
だからやっぱりニュースキャスターは、
少なくとも表面上は冷静を装わなきゃならない仕事ですよね。
無理だわ……。

でも、どうなんだろう。心あるプロのキャスターは、
こんなひどい事件や事故はこれで最後にしてほしいと願いつつ、
カメラの前で話すのかな?
もし自分の周囲でそんなことが起きたら? とゾッとしながら
テレビを見ている僕らのように。

などと、まず間違いなく頼まれもしないのに勝手な心配をするのが
僕という人間の性癖です。
明日こそマヌケなほど明るいニュースがトップになりますように。

ニュースステーションの加藤千洋コメンテーターが、
昨日を最後に番組をお辞めになりました。ちょっとさびしい。
あれほどのナイスミドルは他にいないと、僕は密かに憧れていました。


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