星のこと
織姫と彦星の、一年ぶりの逢瀬。
彼らが離れ離れになったのは、働き者同士だった二人が
結婚によって怠け、それを見かねた織姫の父の
天帝によるお仕置きらしいです。
素敵な夜空の物語も、意外に生っぽいですよね。
この日に雨が降ると二人は会えないことになっていますが、
星のことでしょ、雲の上で会ってるぜ、とか僕は思います。
むしろ雲にまぎれて何かと好都合だろ、とか。
そういう発想は、物語の裏を読もうとする意欲ではなく、
ただのへそ曲りな精神構造から生まれます。
夢を紡ぐ父にはなれませんよね。
出会いを語る七夕。
僕はこの日、もう二度と会えない人のことを考えます。
でも不思議なもので、もう会えないんだと思うと、頭のなかで
その人が「いま会える人に会ってるのか?」と問いかけてきます。
それがその人の声なのか、自分のものなのか、よくわからない。
霊魂とか亡霊とか、実体の定かじゃないものについて考えても
確かな答えは得られないけれど、
もうひとりの自分というものが内側に存在するとしたら、
それを育ててくれるのは霊や魂かもしれません。
だからきっと、実体のないもの同士が引かれあうことだって、
今日の夜空で起こるのでしょう。星のことだからね。
実体のある誰かに会えてますか?
