聞いときましょう

お盆というのもあって話しますが、近しい方が亡くなると
やはり後悔が先に立ちますね。
もっと話を聞いておけばよかった、とかね。

他界と言いますが、しかしあの世に逝かれたことで僕らは
この世に取り残された気持ちにもなる。
だから死を考えるときは、
いま生きている現実と抱き合わせになります。

取り立てて深刻な面持ちになっているわけじゃないんですよ。
100歳を越えて亡くなったおばあちゃんはこの夏が新盆で、
明治のころの話をもっと聞いとけばよかったなと、
ふと思っただけです。

戦争に関してもそうですね。
いつもあっけらかんとしている親戚のおじちゃんやおばちゃんでも、
僕らにはイメージもできない悲惨な体験をしている。
そういう話、たぶん僕らが聞かないと話してくれないかもしれない。
あの有名な玉音放送の様子も、テレビや本ではなく、
実際にそれを耳にしたおじちゃんやおばちゃんから聞いたら、
何か違った感想を抱けるかもしれない。

聞きましょうね。お盆で親戚が集まるし。
そのうち、全部あっち側に持って行かれちゃうからさ。

とか言いつつ、僕は今日から長野の野尻湖に行かなきゃならない。
出土されたナウマンゾウの化石に2万年前の記憶を訪ねようか……。


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