夏の嘘
セミがお腹を見せて転がっている姿を見かけるようになりました。
そんなセミをつま先で軽く小突いてみると、
ジジジッと急に羽ばたいたりする。
ああ、8月も後半なのね。学生のみなさん、宿題はいかがです?
今日は懺悔します。夏休みの宿題。
小学3年生くらいだったでしょうか。長い休みを遊び呆けた挙句、
どうしても提出日に間に合わなかった絵画。
先生から「タムラくん、絵は?」とたずねられ、
職員室の先生の机の上に、と言いました。
もちろん嘘です。でも、用意していた嘘じゃなかった。
蛇口をひねったら水が出るがごとく、
するっと口から出てしまったことに、自分でもひどく驚きました。
で、こうなった以上、白を切りとおすしかないと思ったんですね。
たぶん、先生の目は見なかったはず。
「そう」と先生は答えたんだっけ。
あれからウン十年、僕はいまでもその嘘を覚えています。
ひどく後悔しているわけじゃないけど、忘れることはない。
先生の「そう」は、そういうクサビだったんですね。
上手であれ下手であれ、嘘は記憶に刺さるみたい。
夏って、いろんなことを思い出す季節かもしれないなあ……。
