高級車と焼きおにぎり
イッセン万円のクルマを運転しました。
お仕事柄、たまにそういう機会があります。恵まれていると思います。
でも、なぜかちっともワクワクしなかった。
ハンドルを握りながら、なぜワクワクしないのか考えてみました。
答えはすぐに出ました。まずイッセン万円に気を取られたから。
いや、そのクルマにそれだけの価値がないとは思いませんよ。
ましてや、ヒャク万円だって立派に走るさ、などと
無粋なことを言うつもりもない。
なんかね、絵が浮かんでこないんです。
もし僕に自由に使えるイッセン万円があって、いささか無理してでも
そのクルマを買ったとして、自分が笑顔になる様子がイメージできない。
クルマというより値札に乗ってる感じなんですよね。
ちょっと残念でした。そのクルマ自体が? いえ、僕の貧しい感性が。
そのクルマで立ち寄ったお蕎麦屋さんで、
天ザルに焼きおにぎりがついてきました。「よかったらどうぞ」という
完全無料のサービスです。わぉ!
どうしてそんなことをしてくれたのかはわかりません。
いかにも腹が減っているように見えたのか、単に余り物だったのか。
それでもとにかく心遣いがうれしくて、ザル蕎麦を大盛りにしたことを
後悔しつつ、ぐいっと胃に収めました。
高級車と焼きおにぎり。特にメタファーなんてなく、
ただ純粋に、僕は後者にワクワクする男です。
