一期のルール、一会のビール

一期一会という言葉があります。
「この出会いは人生に一度きりだから、その一瞬を大切に思い、
最高のおもてなしをする」。千利休の茶道の心得だそうです。

いろんな人に会い、数時間の間に多くの話を聞き出す
という仕事をしています。だから時々、一期一会について考えます。

相手が話しやすいようにするためていねいに対応するのは、
結局のところ相手のためではなく、
自分が満足するためにしているんじゃないか? 
ってことはオレは偽善者か? とかね。
だから、時に心地よくない瞬間が訪れても、
適当に笑顔でごまかしゃいいじゃん、と思ったりもする。
茶道の大家が聞いたらお湯をかけられるな。

いやでも実際には、どんな人であれ気持ちのいい会話をしたいし、
お腹の表面だけでもぴりっと割いてくれたら、
ああ今日はなんていい1日だろうと思える。
それがうれしくて、この仕事を続けている。

そういう意味では、僕ほど一期一会に救われている
男はいないかもしれません。

先日の香川はキャンプの取材。話を聞く18歳の女の子のお仲間に、
「いいから飲めば?」と雫たっぷりの銀の缶を差し出されました。
仕事中とは思ったんだけど、汗の量に負けてシュパッとさ。

でね、そこからの会話がナイスなんです。
今回の記事にはほとんど反映されません。ノートにメモもしない。
だけど、たぶん互いの距離は縮まった。
もう二度と会わない人たちかもしれないけれど、
もし再会できたら三段飛ばしくらいで親しくなれる、かなあ。

一期のルール、一会のビール。生きてる! って感じです。


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