たとえ停電になっても
本をつくる仕事に携わってもうすぐ四半世紀になるけれど、
この約20年間の作業上の変化は歴史的だと思う、なんて話を
若い同業者にしちゃいます。時々ね。時々じゃないとウザいでしょ?
僕がこの世界に入ったころは、原稿書きにワープロを使っている人も
いたけれど、その傍らにはペラと呼ばれた200字詰めの原稿用紙もあった。
グラフィックデザイナーにいたってはほとんど手作業です。
完成見本品をつくるのに絵を描いてたんですよ。写真の代わりに。
色鉛筆やパステルを駆使して。文字なんか切り貼りですから。
そうして仕上がったサンプルはもはや作品と呼んでいい出来栄えだった。
で、マックですよ。そして各個人にPC。
やがて間もなく、紙や鉛筆よりデータのほうが身近な平成生まれの
同業者と仕事するっていう時代にそんな話をしたって
室町時代の出来事にしか思えないよね、きっと。
だけど、あのころの手作業を知っているオレたちは、
たとえ東京が大停電になっても仕事ができるんだと、
そこんとこ、ちょっと得意げなんですよ。
「でも、停電なら印刷所も止まりますよね?」なんて突っ込まれると、
大手なら自家発電とかあんじゃない? とか、最悪はガリ版でもさぁ、
とか、言い訳もショボショボ……。
TBSとテレビ朝日がYou Tubeにニュース映像を配信するという話題から
こまで来ました。勝ち負けで語りたかないけど、時間単位数量的に
インターネットのなし崩しな強引さには、いまさらながら閉口ですわよ。
