投げる球がない大人

仕事であれ遊びであれ、何かひとつのことをずっと続けている
自分より年上の人に、ほぼ必ずたずねる質問があります。
どうやってモチベーションを保つんですか?

なんてふうにストレートには聞かないんですよ。ベタすぎでしょ。
だから、それとなくスライダーを投げるみたいにたずねるんだけど、
返ってくる答えはおおむね同じです。

状況を受け入れるんだって。
それじゃむしろ枯れるんじゃないですかと、やはりシュート回転を
かけて聞き返すと、ガツガツしたやる気はどんどん不自然になり、
たとえば求められたリクエストに応える場合であっても、
その過程で創造力が高められることがわかってくるそうです。

で、若いころは自分ひとりで何でもバリバリやっていたことって、
実は自分ひとりでやれていたわけじゃないことをある日悟って、
結局のところ昔もいまも、自分の役回りは
本質的に変わっていない事実にも気づけるんだと。
そんなふうに構えられると、投げる球がなくなっちゃいますね。

そういう話を聞くと、大人になるのが不安じゃなくなります。
枯れてないんだ、そういう人たちって。
楽しいことを楽しいと言い切っちゃう自由さがね、素敵なんです。
ある大御所ギタリストのお茶目なダンディに触れて、
オレなんかまだまだしょんべんカーブしか投げられないんだと、
がっかりするよりはさっぱりした気分になったのでした。

台風、デカいらしい。どなたさまも気をつけて。


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