夢は醒めた

フロアいっぱいに赤いカーペットが敷かれていたのはこの前と
たぶん同じだけど、その赤が確実に目立っていたのが印象的でした。
出展者数も展示車両台数も、それからキャンギャルのおねいさんも
前回の約半分。それが今回の東京モーターショーです。

これはもう腹をくくるとか覚悟と言うべきなんでしょう。
クルマの夢は醒めました。もはや完全に、きれいさっぱりと。

販売台数とかもろもろの規制とか、そういう事柄とは
別の次元にあったんです、クルマの夢というのは。
何百キロ出るとか何馬力あるとか、ドアは翼みたいに開くとか
ハンドルは戦闘機のようだとか、ね。
世相なんかとかけ離れたところで、あるいはそれらに左右などされず、
むしろ抗うように、個として単体としてクルマの夢は勝手に広がっていた。

それはそれでとても楽しかったんですよ。
でも、夢というのは自我に影響されないんです。
だからこそ夢は夢として破綻を加速させることができた。
しかし、実際に生きてゆく上で関わりを断てない問題が切羽詰まると、
夢は夢であるという前提を明確にし、覚醒を余儀なくされる。

そうしてクルマが移動する家電になることは、おそらく歴史の真実です。
それをさみしがっている場合じゃないんだと強く思いました。
だって、日本の環境技術は間違いなく世界一なんですよ。
それが手に取るようにわかりました。

屈託のない夢をほうきで払って、すぐそこにやってくる切実な明日が
赤いカーペットの上で披露されています。
東京モーターショー、今日から一般公開。


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