便利の奴隷

電話なんかなきゃいいのに、という考えは完全に逆恨みでした。

こんな時期に僕のケータイ君は主人より先に倒れやがったわけです。
つまり電池切れ。けっこうマメに充電するほうなんですが、
バッテリーが寿命みたいで、なかなかフルにならない。
で、予想より早くレッドゾーンに突入する。

最初のロケが押したんですよ。それで次の約束に遅れることが
明白になって、その旨を伝えるためのあと1本の電話ができなかった。
充電器を買おうにもコンビニがないような場所を走ってる。
ああきっと留守電がたくさん入ってるんだろうと思いながら
渋滞にハマってるのってシビれますね。

携帯電話って、どこでもすぐにつかまる道具なんですよね。
それがなかった時代は、一度出かけたら本人が連絡するか
電話のある場所まで帰る以外は連絡がつかなくて当然でした。
電話すらなかったころは、送信と受信に数日を要する
手紙でやり取りするしかなかった。
そんな時代だったらよかったのになあと、最新の撮影車両のなかで
ジリジリする僕は、やはりただのアホウだった。

そうならいように注意してるつもりでも、すでに便利の奴隷なんだと
愕然としたなあ。ハワイでもネット環境にやきもきしたり。
この時代を生きてる証だろうけど、
便利が生みだす不便に蹂躙されてるんだね。これは責任転嫁か……。


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