正しい春

モンゴルで暮らして幾星霜(?)。
はるかに広がる平原の美しさは毎日新鮮。
しかしその平穏を乱す光景を目の当たりに……。
社会派の一面も見せるユースケ君のインサイドリポート!

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以前にも触れたが、連日乗馬訓練をしている場所まではおよそ1時間半の道程。30分ほど市街地を走ると、あとは徐々に草原地帯へと移行して行く。

草原地帯を走っていて最初に「お〜っ!」と目に入ってくるのが、あり得ない長さの列車。草原に突如出現する、おそらくモンゴルで唯一のまっすぐ走る乗り物。そのほとんどが貨物のようだが、長いのなんのって50~60両くらい連結しちゃってて、もう目を見張らずにはいられない。いつも同じ時間にホテルを出発しているから、大体いつも同じ所で遭遇することとなる。ってことはすなわち、モンゴルでは珍しく時間に正確な存在で、それにもビックリする。

そうこうしてると、今度は点在するゲルが見えてくる。首都ウランバートルから1時間も走らない距離に、今でも遊牧して生計を建てている人々が実在するのだ。イメージ通りと言えばそうなのだが、ウランバートルが予想以上に“街”だっただけに逆に驚いてしまう。

牛や羊を追っている大人に混じって、小さな体で上手に馬を乗りこなして働いている子供。こちらも親の仕事を手伝っているのであろう、大きなバケツに何やら満たして運んでいる子供達。4~5人のグループで花を片手に走り回って遊んでる子供達。

「正しいなあ〜」なんて妙に心が洗われてしまう俺。いや、ホント、のどかで素敵な風景だよ、ここは。ふと、子供だけで遊んでいる風景をながめていて心配になったので現地の人に聞いてみると、子供にいたずらしたり、誘拐してひどいことをする事件は起きてないそうだ。正しいよ、モンゴル。

さらに道を進んで行くと、丈の短い紫色の花々が群生しているのが見えてくる。それが日に日に蒼さを増してゆく草原の中で絨毯の模様のように映えている。その上を行く動物達。群れの中ではたくさんの、ほんっと〜にかわいい仔馬、仔羊、仔牛達が母親にピッタリくっついて移動していたり、オッパイ飲んでたり。そんな風景が延延と続くのだ。「春らしい春」がここにはある!

しかし、そんな草原にも少しづつではあるが都会化に伴う暗い影が忍び寄っているようだ。
俺が確認したところ、1時間半(平均時速約60km)の移動中で2カ所、ゴミが投棄されているのではないかと思われる一帯があった。約10m四方にギッシリ敷き詰められた、風になびく白いゴミ袋……。見たくないし、あってはならない光景だ。あれだけの量は個人の仕業とは考えにくい。組織的にやってんなじゃないかな、きっと。アホなこと考える奴はどこにでもいるんだよなあ。

そのゴミの中に有毒物質が含まれてたりして、草原に垂れ流されたら一気に汚染が進みかねない(日本でもよくあるように)。俺の勘違いだったらいいんだけど、そうでなかったら……。

モンゴル政府よ、早いうちに手を打たなければ、今ある素晴らしい春が失われてしまうよ!(6月18日)

せめてモンゴルだけは…、なんて思うのは僕らのエゴかもしれないけど、二度と手に入らないものもあるんですよね。豊かになるって、難しいものだなあと思います。(T.T.)


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