公開5日前/大勢の人に早く観てほしい
T.T. いよいよ公開1週間を切りました。いまの気分は?
祐介 早く公開してほしいですね。一般のお客さんからどんな評価が得られるのか、一日でも早く知りたいんです。
T.T. 1月の半ばにモンゴルで特別試写会が行なわれたんでしょ。『モンゴルからの手紙』によれば、かなり評判がよかったらしいじゃないですか。
祐介 涙を流しているお客さんもたくさんいてね。あれほどモンゴルの人が感動してくれるとは思わなかったですよ。
T.T. 『手紙』でなるほどなあと思ったのは、チンギス・ハーンの映画を日本人がやるというのは、モンゴル人が忠臣蔵を演じるのと同じような違和感があるはずだと書かれていたこと。その一節は妙に説得力があったなあ。
祐介 そう。だからモンゴルの試写会でどんな評価を下されるのか、まったくわからなかったですね。ひとまず仕上がった作品を見た関係者は「ジャムカよかったよ」と言ってくれたんだけど、やっぱりお客さんの声がねぇ……。
T.T. いちばん気になるよねぇ。撮影の段階では、モンゴルの人々は協力的だった?
祐介 現場は友好的でしたね。本物のモンゴル陸軍がサポートしてくれたりして、国家レベルの協力体制でした。
T.T. すると、現場じゃないところは?
祐介 オレ、何か引っかかるような言い方しました(笑)? まぁ、確かに外国ロケゆえの不透明な部分が撮影以外の場所であったみたいで、現地の記者会見ではそっち方向の質問が多かったりもしました。なんかね、冷た~い感じでしたよ。
T.T. 作品に関する話題じゃないんだ。
祐介 作品の話を聞いてくれよ、って思う場面も無きにしも非ず……。あと、日本の週刊誌でも批判的な記事が載ったらしいですね。オレは読んでないんですけど、なんで日本人がモンゴルの英雄を演じるんだ、みたいな書かれ方だったそうです。
T.T. そうなんだ、知らなかったな。僕らは祐介くんを通じて『蒼き狼』への理解を深めていたから、おそらくここの読者にもそういう批判めいた発想はなかったんじゃないかなあ。
祐介 ちょっと残念でした。この作品に関わったすべての人は、チンギス・ハーンをアジアのヒーローとして受け止めていたし、時代を超えた人間本来の物語を伝えることを第一に考えてましたからね。
T.T. そうしたある種の雑音ばかりが耳に入ってきていた。けれどモンゴルの試写会のフタを開けてみたら……。
祐介 もう、ドッカーンですよ(笑)。
T.T. お笑いじゃないんだからさあ(笑)。
祐介 いやあ、驚きましたよ。というか、なんとも言葉にできない気分になりましたね。ウランバートルの、いやモンゴルの人々があそこまで感極まってくれるとは、正直言って予想外でした。立ち上がって拍手してくれたんですよ。チンギス・ハーンを描いたこれまでの作品は、支配者や殺戮者のイメージが強かったみたいなんですね。でも『蒼き狼』では、チンギス・ハーンの人間性が描かれていたから、そこにモンゴルの人たちが共感してくれたんだと思います。

